清流荘プロジェクト

使われていない行政の建物をホテルとして利活用。
そのホテルリノベーションを「教材」にして、
「DIYスキル」を宿泊しながら学ぶプロジェクト




〈 現在の進行状況 〉

行政の建物を利用できるようにするため、
行政側と交渉調整中 ...











プロジェクトまでのエピソード






まずは、このプロジェクトが生まれる9ヶ月前にさかのぼる。


 

 

 

エピソード0 【  舘山寺を考える  】

 

2017新年。

三ヶ日の蕎麦屋さんに食事に出かけた後、帰りに愛犬ワカメと散歩するためにフラッと舘山寺へ。

舘山寺

舘山寺とは、浜松の昔ながらの観光地である。

お正月ということもあって、遊園地には沢山のファミリーが遊んでいた。

キャーキャーと子供たちがはしゃぎ、どの乗り物にも10人以上の行列が並んでいる。

なんだか、幸せな光景を見た感じがした。

舘山寺パルパル

これは個人的なイメージだが、

お正月、GW、お盆、夏休みと、長期休暇というタイミングには、沢山の人で溢れていると思うが、

年間を通して考えると、それほど賑わいを感じる観光地には思えない。

しかし、まだたくさんの大きなホテルが存在しているし、それを見事に経営し継続している。

 

だけど、舘山寺に来る時は、いつも平日だったので、閑散とした街に見えていた。

立派なホテルや旅館があるが、商店街的な通りはシャッター店が多い。

チラホラと散策している観光客はいるが、行き先があるのか…ないのか…

その姿は観光難民のようにも見えた。

 

 

 

 

だが、改めて考えてみた。

舘山寺には、遊園地があったり、動物園があったり、植物園があったり、ロープウェイがあったり。

湖には、スピードボートなどのマリンスポーツや、遊覧船があったり。

結構、観光地としては楽しむソフトが揃っている。

 

地元に住んでいるから、あんまり意識して考えたことがなかったが、観光として、良い素材が揃っているような気がする。

 

 

 

 

そんなことを考えながら歩いていると、1件の閉館したホテルを発見した。

調べてみると「喜楽」という元旅館。

この立体的な建物にグッと心が揺れた。

次の瞬間「あそこをこうするでしょ。ここをこうするでしょ。」と。

リノベーション病がうずうずと動き出す。

去年行った  兵庫の赤穂の「今井荘」。

あそこに行ってから、「旅館」って言葉に 妙に敏感になっている気がする。

廃ホテル
廃ホテル
廃ホテル

建物の裏側はすぐ湖。

裏側の1階は、ガラス張りになっていて、湖が目の前に広がって見える。

 

建物も素敵だが、このレイクビューの景色も最高。

丁度、島と島の重なりで奥行きのある景色。

どことなく去年行った瀬戸内の景色にも似ている。

 

 

裏側から建物の中をのぞいてみると、可愛い天童木工のチェアが。余計に気になる。

この旅館の建物の中をぜひ見てみたい!!

舘山寺
廃ホテル

もし、アパートメントが旅館をやったら… と、一気に妄想が広がる。

やはり、アンティークやレトロがベースになる。

建物も、今のアパートメントの店舗と同じ鉄筋コンクリート造。

なるべく躯体の素材感を活かした内装に。

ローコストにするために、できるだけ自分たちの力で作りたい。

というか自分たちでやって楽しみたい。

この規模のサイズだと、どれくらいの期間や予算で出来るか まだ分からないが、不安よりもワクワクが前に来てしまう。

部屋ごとに インテリアコンセプトを変えたり、カフェを作ったり、家具屋を移転したり、賃貸の住居やオフィスをいれたり。

なんだか、考えがまとまらないが、色々な可能性を感じる。

もうこれは、自分たちでだけではできない。

共に人生をかけてくれる人材が必要だ。

 

 

 

帰りにそんな目線で、舘山寺の街を見直してみた。

遊園地は、時が止まった感じのデザインがノスタルジックな雰囲気に見え、逆に格好良い。

商店街の空き店舗にも、カッコいい感じの店舗が。

舘山寺商店街

空き店舗があると言うことは、新しいお店が増える可能性があるということ。

今のアパートメントの近辺は、空き店舗がない。

街視点でみれば、点止まり。

2店舗3店舗とどんどんお店が増えれば、点が線になり 面になって「街」になる。

 

「可能性」を感じずにはいられない。

 

 

次の一歩に進めるのか? 思考の日々が始まりそうだ。









エピソード1  【  「 舘山寺を考える 」からその後  】

 

「エピソード0」を書いた後、舘山寺をもっと良く知る為に、何度か舘山寺を散策しに行った。

うどん屋さんで商店会の話を聞いたり、裏山でミニハイキングをしたり、名物料理を食べたり、温泉に入ったり。

焦る気持ちを抑えられずに、写真を合成で外観パースを描いてみたり。

ホテル
ホテル

そんなある日、廃墟だと思っていた旅館内に作業服姿の人影が!

「お!これは建物内が見れるかもしれない!!」早速、声を掛けてみることに!

 

 

 

しかし、かなり怪しまれた表情をされながら、

「今は、事務所と資材置場で使っていますが..」と、すごく冷たい対応で… 

まあ無理もない…

なので、結局、旅館内は見れず。

その後、色々調べた結果、廃墟だと思っていた旅館は、大きな病院のグループ会社が所有していた。

多分、その会社の社員だったのだと思う。

この日を境に、この物件での脳内妄想は終わった… 

 

 

 

ありがたいことに、そんなこと考えている暇もなく、その後リノベーションの仕事が続き、気付くと夏。

 

 

 

そして、仕事が落ち着くと顔を出すのが「モヤモヤ病」。

モヤモヤ病の薬は、とにかく考えること。

完治することはないが、少しのヒントがあれば、頭の中でそれを膨らませる。

そして、壁にぶつかり割れる。 この繰り返し。

 

しかし、今年の夏は違った。

とりあえず、ヒント自体をさがしに動いてみよう!と、ふと決意!

 

先日、ブログでも本を紹介した長野諏訪にあるRebilding Center JAPAN。

そこでは「サポーターズ」という企画がある。

自分たちの店舗の改装や、廃材のレスキュー現場などを、ボランティアで手伝ってくれる方を募集 するのだ。

 そのサポーターズの企画が たまたまあり、モヤモヤした日を送っていた自分は、息抜きと 何かヒントがあるかも?と、1泊2日で参加することに!

 

このサポーターズに参加することを弟に話すと「珍しいね!」と言われてしまう程、僕は勉強会やイベントなどには、ほとんど参加しない。

普通、勉強会やイベントに参加することは、それほどのことではないが、自分にとっては大きな行動だった。

 

この先に話を進める前に「Rebilding Center JAPAN」とは、どういった場所で、どういった想いで出来たのかをお話したいと思う。

 

 

【Rebilding Center JAPAN】 長野諏訪 

一言でいうと「古材や古家具雑貨のリサイクルショップ」。

ですが、単純に古材を集めて販売するのではない。

 

古い街の木造住宅は、今建て替え時期にきている。

不便な古い家を壊し、過ごしやすくするために新しい家を建てる。

古い家の使わない家具や建具、床材や梁材などは解体され、ただのゴミになり、捨てられていく。

しかし、その壊されていく家すべてに、小さな頃から住んだ家族の思い出がたくさん詰まっている。

壊されてくときの「淋しい気持ち」を、少しでも救い上げ、次の世代に繋げていくことは出来ないか?

という考えから生まれたのが「Rebilding Center JAPAN」。

解体され壊される前に、Rebilding Centerが古材や古家具雑貨をレスキューする。

家族の思い出が詰まった家の柱や梁が、次の世代の人に気に入られて、今度はテーブルになったり、室内装飾になったり。

そこに、また新しい価値が生まれ、さらに長い年月大切に使われていく。

そのサイクルを実現するために、レスキューされた古材を利用した店舗デザインや、レスキューした 箪笥やソファなどの家具や建具などの販売。

古材を利用した内装のカフェも運営し、古材の使い方や魅力を発信している。

 

古材や家具等は、現金買取の場合もあるが、お礼として「ギフト」をプレゼントをする場合も。

「ギフト」とは、新しい家でも使えるように、レスキューされた古材料を使い、 木皿やテレビ台など家具を制作してプレゼントすること。

新しい家になっても、昔の家の「家族の思い出」をいつも感じられるように。

新しい家具よりも、より愛着の湧く家具として、また長く愛され続ける。

そんなサイクルが、少しでも当たり前の世の中になるように生まれたRebilding Center JAPANなのです。











 

 



エピソード2  【  ヒントの瞬間  】

 

「エピソード1」で紹介したRebilding Center JAPAN。(略してリビセン)

そこで開催される「サポーターズ」というボランティアイベント。

そのイベントに参加することにした! という話が前回までの流れ。

 

 

 

Rebilding Center JAPANは、東野夫婦(アズノ)がスタートさせたお店。

それまでは、medicala(メジカラ)という「店舗デザイン&施工」の夫婦ユニットとして活動。

活動エリアは全国で、依頼のあった地域に3〜4ヶ月住み込みながら、クライアントと東野夫婦と地元工務店と組み、みんなで一緒に作っていくスタイル。

デザインした店舗は、東京台東区蔵前の「nui」や、長野諏訪の「マスヤゲストハウス」、鎌倉の「aiaoi」など、他にも多数。

 

2016年にオープンしたRebilding Center JAPAN。

この店舗を改装するにあたっても、沢山のサポーターズボランティアが参加。

3ヶ月の工事期間の中で、ボランティアに参加した人数は、約500人。

 

 

今回のサポーターズは、ちょうど1周年を迎えるにあたってのサポーターズイベント。

内容は、店舗近くの「社員宅の改装」。

 

自分が参加した日が、改装工事が着工して6日目。

ほとんどの解体が終わり、ここから少しずつ大工作業が始まるタイミングでした。

リノベーション

この日は、自分を含めて参加者は6名。そのうち4名は女性。

ほとんどの人が1泊しながらの作業で、中には2〜3泊の人もいれば、1週間以上 滞在する人も。

 

自分の大工道具を持って行った私は、最初から重宝がられ、もう1人の男の子と一緒に、早速 大工仕事に取りかかることに。

 

周りを見渡すと、他の女の子たちは、タオルを撒いて、マスクをして、汗とホコリまみれながら、解体された木材の運び出しや、釘抜き、掃除などを頑張ってやっていた。

一緒に作業していた男の子は現役の塗装屋さんで、大工経験が多少あったのだが、他の参加者の子たちは、改装経験がない素人さんばかり。

道具も使えないし、作業の仕方も分からないし、教える人もいない。

簡単で単純な作業ばかりをしていた。

 

 

この日は、東野夫妻がたまたまイベント参加のため不在で、リビセンスタッフの女の子が指示を出してくれていた。

彼女も、DIY女子といった感じで、専門的な知識や技術がある訳ではなかったのだが、テキパキと元気よく、みんなに指示を出していた。

 

 

 

しばらくすると、お昼の時間に。

リビセンスタッフの子が、昼の少し前から昼食を用意してくれていた。

 

みんなで、食器やお箸を並べてを用意し配膳する。

その空気感は、どこか懐かしく学生の時のような感覚に戻る感じだった。

 

この日のメニューは、ソーメンと芋の煮物、豆ご飯おにぎりとお漬け物。

お芋や漬け物などは、近所の人からのお裾分けだそう。

汗をかいたからなのか、新鮮な野菜だからなのか、すごく美味しく感じた。

 

しばらくすると、参加者同士の会話になり、何処から来たの?というの会話に。

聞いていると、広島、愛知、大分、長野など、全国各地からみんな参加していた。

 

1時間の休憩後、午後の作業がスタート。

また周りを見渡すと、相変わらず女の子たちは、単純な作業をしていた。

 

 

「遠く諏訪まで来たのに、単純な作業だけじゃもったいないよな…」と、ふと思い、

 

「丸のこや電動ドライバー使ったことある人?」と、みんなに聞いてみた。が、やっぱり経験がない。

「やってみたい人!」って聞くと、みんなが「やってみたい!」と!

 

そこから、流れで「DIY教室」をすることに!

 

 

まずは、廃材をカットしてみる。

最初に「差し金」という定規での「線の引き方や使い方」の説明から始まり、その後、実際に丸のこを触れてもらう。

高速で回る刃物なので、危険なことや注意するところを説明する。

1度危険な使い方をデモン